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出版ガイド2010 本を出しませんか! に騙されないで確実に出版する方法 企画出版だって簡単だ! |
出版社にアプローチ。その効果的な方法とは
どの出版社にアピールをするのか。というのは非常に重要な問題です。
レシピ関連の本を出している会社が、絵本を出すことはなく、ビジネス書を出している出版社がフィンクションの本を出すことはありません。出版社によって得意分野があり、それに該当しない場合はまず出版が決まることはありません。
一冊目の本をどこから出すのか。たしかに「大手」の出版社であれば大概のジャンルは取り扱っています。人に説明するのにも嬉しいことでありましょう。が、企画の採用率は0.1%以下。開いて、著者プロフィールを読んだあとはゴミバコ行きが基本です。一冊目から「大手」を狙うことはかなり無謀であると思います。
類書を読んでいる段階で控えた出版社に企画書を送り、出版の可否を問うのが現在の持込方法です。住所を書き、担当者御中と書けば該当担当者に届きます。担当者名を最初から書くと「なんでこいつオレの名前知っているのだ?」とむしろ気持ち悪がられるといいます。
出版エージェントの人によると、宛名はコンピューターで作るよりも「手書き」の方が、採用率が高いとのこと。理由を聞くとこれは「ダイレクトメールと勘違いされない対策」だといいます。
* 原稿返却希望と書いてもあまり返却してくれることはありません。*何度かしてもらった経験はありますがほとんど戻ってきませんでした。が、返却希望の電話をかけたら後日「返却しようと思い、再度読んでみたら面白かった。もしよかったら会ってみたい」と電話がきっかけでボツから本になったという話もありますが、まずそんなことはありません。
■ 企画書って具体的には何?
簡単なセットとして考えると。
【企画書セット】
・ 書類送付のお願い
・ 企画書
・ 目次
・ サンプル原稿
となります。書類送付のお願いはそれぞれが普段使っているもので、なければWordやエクセルなどで作ってみてください。書類を送った後はすぐにも「送りましたので、もし宜しければ読んでください」と電話を一本入れておくことも「読んでもらう可能性が高くなるので有効」という出版エージェントもいます。
【企画書雛形】
これは出版エージェントとして名高い「企画のたまごやさん」にて提案している企画書の雛形です。一つずつ、項目を埋めていくだけで企画書を簡単に作成することができます。A41枚にまとめ、必要のない項目は削除してしまってください。絶対この形にまとめなくてはいけないわけではありませんが、今はこの形で企画書をまとめ提出する著者はとても多いです。「A4一枚にまとまらないものは100枚あってもまとまらない」という人もいます。2枚にして文字を小さくし、A4に2枚左右に印刷したこともありましたが、読みにくく非常に不評でした。文字は大きい方が読んでもらえる確率があがります。
企画のたまごやさん
http://tamagoyasan.net/
企画書雛形
http://tamagoyasan.net/author.html
1)タイトル
2)サブタイトル
タイトルの補足説明、あるいは、より本の内容を興味深くあらわしたもの。
タイトル、サブタイトルは複数本提出するのが望ましい。
3)キャッチコピー(帯文)
時代性を表したもの。
読者の興味をうまくとらえたもの。
読者をあっと驚かせるようなもの。
4)本書の内容
まず、ジャンルは何かを明記。
つまり、この本はビジネス書なのか実用書なのか写真集なのか文芸書なのか。
さらに、1~2行で、何について書かれている本なのかを明確に記述する。
5)著者名(著者候補名)
企画者が著者と異なる場合は、企画者のプロフィールも記載してください。
著者候補の場合は、その方とコネクションがある場合のみとします。
6)著者プロフィール
著者がなぜこの本を出す必然性があるのかが版元編集者に伝わるように書いてください。 以下のような内容がある場合は、必ず入れてください。
過去に著書がある(類書で売れたものがあればベター)。
このテーマについて高い専門性がある。
他の人にはないユニークな経験をしてきている。
このテーマに関して、マスコミに多数露出している。
*この部分は「出版したい本の種類」に合わせて書き換えてください。この部分が露出しないと、続きを読んでもらえなくなります。該当ジャンルに関係なくても「東大卒業」や「外資系大手企業勤務」等も出版社に振り向いてもらえるポイントになります。
7)監修者(なくても可)
著者の項目に準じる。
8)監修者プロフィール(なくても可)
著者のプロフィールの項目に準じる。
9)企画意図
箇条書きで、この本を企画した理由、この本が売れる理由を列挙する。
企画意図は一番大切な部分なので、時間をかけて詳しく書いてほしい。
10)企画の背景
今、なぜこの本を出版しなければならないかを、箇条書きで書く。
つまり、この本はなぜ昨年ではなく、来年ではなく、今年出版されなければならないのかの理由付けが必要。今、この本を出したら一番売れるという理由を列挙してほしい。
11)読者ターゲット
メインターゲット この本を購入するであろうコアな読者層を絞る。
サブターゲット メインターゲットの周辺にいる人たちで、この本を購入する可能性のある人たち。
*ターゲットはまず狭めて考えた方が有利です。初めから範囲を広くしすぎると「別にうちじゃなくても」ということで、対象外となることがあります。
12)類書
現在発売されている類書で、特にベストセラーになったものを数多く列挙する。
発行部数がわかればなおよい。
13)類書との差別化
類書と本書の明確な違いを箇条書きで列挙。
14)体裁など
もし指定があれば、記入する。
本のサイズ、定価、ページ数、ハードカバーかソフトカバーか、縦書きか横書きか、1色かカラーか。
(例 四六版 定価約1200円 224ページ ソフトカバー 縦書き 1色)
15)原稿完成の予定
完成原稿がある場合はその旨を明記してください。
ない場合は、もし今この企画が採用された場合におよそいつごろに原稿を完成できるかを記載してください(見込みで結構です)。
16)企画者の要望
表紙イラストや本文イラストの希望があれば記入する。
推薦文が必要ならば、推薦者の候補をあげる。
17)この本を制作するために有利な条件
企画者がすでに類書を何冊か書いている。
この本のキーマンをつかまえている。
膨大な資料がある。
ネットワークを組織している中心人物にコネがある。
自分で販促活動ができる。 (大学で売れる、著者や著者の会社で買取ができる、自分のサイトやメルマガで宣伝できる、講演活動をしている、スポンサーがついているなど)
著者に知名度がある。
その他、有利な条件があれば何でも。
【目次】
大項目だけでも完成している部分だけでも印刷して追記しておきます。これもA4一枚にまとめます。
【サンプル原稿】
これはA41-2枚の範囲で最初の原稿、または重要箇所の原稿を作成します。
■ 企画書を送った後
企画書は一箇所だけでなく、複数の場所に送っても問題ありません。一つの企画書に対して複数の採用がある場合もありますが、そのようなことはまずありません。
「企画を採用するわけではないけれど、一度会って話を聞きたい」
という話があれば、大チャンスです。是非行って企画書の問題点など相談してみてください。最初の段階で「相性の良い編集者」を見つけることが大切です。以前100箇所ほど企画書を送り、1っ箇所の出版社のみ「話だけ」ということが昔ありましたが、編集者に割いていただいた一時間という時間はとても貴重な宝物となりました。
■小さな出版社ほど有利です
初版が1000、2000という出版社は実は結構あります。そうした出版社であれば「初版1000売り切る力がある」もしくは「初版○○○冊買い取る」という話はとても魅力的であり、話を聞いてもらうチャンスとなります。この冊数は「大きな出版社」になればなるほど、増えていきます。ビジネス書を通常的に出している出版社で1000冊、2000冊の買取りを条件に出版を決めたという人がいます。話を聞くと、どうせセミナーで売ってしまうから買い取るのは問題ない。一番困るのは「いつ出るか分からない」という状況で、確実に本が出るという確認が取れるのであれば費用負担はなんら問題ではないといいます。
出版にかかる費用を著者と出版社が折半で持つという考え方で、逆説的に考えれば「実力がある著者」であれば企画書など必要なく「わたしは○○○○冊確実に売れます!」という証拠さえあれば企画はアッサリと通ってしまうのです。
また2009年殿最新ニュースでは、ビジネス書の出版条件として3000冊買い取を提示された人がいたそうです。
ある特殊な仕掛けが……当世ベストセラー事情あれこれ
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0910/01/news008.html
>増える“買い取り”出版
> 「3000部の買い取りでしたら、すぐに企画を進めます。どうしますか?」――。
> 昨年、ある著名ビジネスマンが自らの体験談とノウハウを記した企画書を手に、中堅出版社を訪れた際のこと。対応した編集者が口にした言葉に、著名ビジネスマンは仰天したという。
> このビジネスマンは、月刊誌などに度々寄稿し、新聞やテレビでも頻繁にインタビューを受けるなど実業界では名の知れた人物。だが、今までに単行本を刊行した経験がなく、出版の仕組みを筆者に尋ねていたのだった。
> 通常であれば、売り込みを受けた編集者は企画内容を精査し、書籍化が可能と判断すれば正式に執筆を依頼する。その後、校正などの作業を経て、晴れて書籍が刊行されるという段取りを踏むことになる。このビジネスマンもこうしたやりとりを想像していたのだが、実態は厳しかったのだ。
> 昨今はご存じの通り未曾有の出版不況。「著名作家や相当に名前が売れた人物の著作でなければ、役員会で出版企画を通すのが極めて難しい」(大手版元編集者)という事情がある。そこでビジネス書が得意な出版社を中心に広がっているのが、「著者の買い取り」がセットになった出版企画なのだ。>>続
実際にこの条件を飲み、出版した人を知っていますが、「不況の中条件さえ合えば本を作ってくれるのはありがたいこと」という感想を述べていましたが、3000冊といえばダンボール箱で30ケ。社内は本の箱で埋まり大変なことになっているようでした。(*一冊ただで貰いました)
一冊1500円の本を500冊買い取るとしたら75万円。大体印刷代を著者が負担するようなイメージとなります。これが高いか安いか。企画出版を! と声高くいう人は「著者が費用負担をすることを」恥と思うような風潮があります。企画書作成代行に10万円を出すことはできても、そうした買取りは自分の理想と違うのでできない。勿論そういう人は只管に企画書を出版社に送り続ければ良いと思いますが、よほどの才能と縁がない限り採用されることはありません。
■ そうなのです。出版でも「縁」が大切なのです
文章力が同じであれば、企画は当然「知っている人間」の方が通りやすいことは間違いありません。徐々に出版社の人間の名刺を増やし、どのような企画を考えているか相談します。あるセミナーに参加したときは「出版社の人向けにはゴージャスな名刺を」と一般人との完全差別化をしてアピールしている人もいました。この人は後日出版することはありませんでしたが、他にも「他の人とは違うファッション」で出版社の人に覚えてもらうという人もいます。男性なら和服で登場する、女性なら極短いミニで編集者の前で足を組む。など。
とはいえ代に出る人というのは「目」が違うので、セミナーなどいくつか出ていると「この人は今年世に出るだろうな」というのは何となく分かってくるようになります。才能と現実。それを熱意で乗り越えていくことで一冊の本が出来上がっていきます。
■ どうしても出版社が決まらない場合 企画書の内容より重要視されるもの
一通り正攻法で回った後は類書を出している出版社の中で初回買取りを条件に出版を提案することもできます。こうなってくると「企画書の中身」ではなく「何冊売るだけの力があるか」出版社に証明する方が重要になってきます。
マイミクが何人いる。ブログのアクセス数が一日何人……。個人の場合は年賀状の枚数が売れる本の冊数だといいますが、自分の本を1000冊売るにはどうしたらよいのか。詰まるところ、採用可否はそこにかかってくることもあるのです。
出版前の活動がとても大切なことがお分かりいただけたでしょうか?
出版するために、該当ジャンルの団体に入会し役員などを兼務する。会長など役職のある人に交渉してより有利な監修者を紹介してもらうことも有利になってきます。勿論最低限の完成度は必要ですが、正直わたしはすぐ原稿を書いてしまう方なので、企画書に命をかけている人を見ると「企画書って何?」「そんなに重要だったけ?」と聞いてしまう方です。
■ 複数の出版社に採用された場合
複数の出版社に企画が採用された場合は「切り口」を変えて書くことも、断ることもできます。しかし複数の出版社から仕事を受ける際は「類書を書いている」ということを伝えるのがマナーとなっています。類書が出る分には採用不可の条件にはならないそうですが、全く同じ内容を知らせずに書いたときは、後日問題となります。
■契約について
出版契約については大手であっても「口頭」である場合が多いです。で、あるからして書面化を! とあまりしつこくすると嫌われることもあります。出版社の倒産件数は多く、「ただ働き」になることもしばしば。口頭しか契約がないとしても、怪しいとかは考えなくて大丈夫です。倒産する時は書面があってもほとんど関係ありません。裁判の際は確かに書面があった方が有利ですが、たとえ勝訴しても払ってもらえるかどうかは「社長の胸先三寸」。勝っても「今金がないから払えない」の一言で終わることも結構あります。
また出版自体がかなり曖昧なもので「○月には出る!」といって、半年ずれたとか、一年経ってしまった、担当者が退社してしまい話が消えてしまった。など。全くめずらしい話ではありません。
出版が決まったときは記録を残すだけでなく、受身ではなく、担当者とまめに連絡を取り発売に向けて著者が積極的に動いていくことが必要となります。
>>次へ
シェアリストや献本リストのついた完全データpdfファイルです。落ち着いて読みたいという人にお勧めです
1. はじめに
・本を出す前にやること
・mixi、ブログ、メールマガジン インターネットで腕を磨く
・テーマを決め 類書を読む
・書店に行き、自分が決めたテーマの棚をのぞく
・出版社にアプローチ。その効果的な方法とは
【ナイショのコラム】本を出せば儲かる?
【ナイショのコラム】アマゾンe託本を使って出版するには
【ナイショのコラム】自費出版と企画出版
2. 目次、見出し
・テーマに沿って、大見出しを5-6個
・大見出しに沿って小見出しを5-6個
・小見出しに沿って、箇条書きに5-6個
・全体の構成を調整し、流行もまた考える
【ナイショのコラム】企画書採用の裏話 採用されてからも苦労は続く
【ナイショのコラム】アマゾンで一位になる方法
【ナイショのコラム】出版エージェント・プロデューサーはどう?
3.原稿を書き始める
・台割表
・文章の呼吸
・校正・監修
【ナイショのコラム】ゴーストライター
【ナイショのコラム】絵本を出版したい!
4. 広報・宣伝方法
・今は著者が売る時代 本は書いて終わらない
・プレスリリース
・プレスリリース先
・直販のススメ
【ナイショのコラム】新聞広告は効果あるの?
【ナイショのコラム】インターネットって効果があるの?
5. 書店営業
・書店向けチラシの作り方
・FAX DM 番号収拾から配信まで
・書店についてもっと細かく
・書店営業の基礎
・駅特化型、書店営業表の作り方
・書店営業成功のコツ
【ナイショのコラム】イベントをすると、どのぐらい売れる?
【他紙掲載】書店営業ビジネスを考える
6. 発売日前にすること
・書評依頼は新聞・雑誌
・テレビにも献本!
・地元の新聞には特に積極的に
7.発売後にすること
・POPの作り方
・発売後一ヶ月が勝負!
・売上げランキングにのるには?
・ジェット配本の恐怖
【ナイショのコラム】印税
【ナイショのコラム】断裁
8.そして、次の本を考える
・返品率、書店からの注文数
・二冊目は類似本が有利?
・ベストセラーって何冊売ればいうの?
・一冊目で終わらないコツ
・本を出してから変わるもの
【ナイショのコラム】出版詐欺師列伝1
【ナイショのコラム】出版詐欺師列伝2
【他紙掲載】35ブックスって何? 出版、書店業界の2009年を考える
【巻末付録】新聞社全国紙リスト
【巻末付録】新聞社地方紙リスト
【巻末付録】女性雑誌住所リスト
【巻末付録】全国フリーパスリスト
【巻末付録】テレビ局書評掲載番組リスト
【巻末付録】新聞社地方シェアリスト
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